ライティング講座受講録 #1

SYNTの井上です。

先日、英語ライティングレッスンがついにスタートしました。
受講生は私です。

このレッスンの積み重ねが将来的にはSYNTライティング講座として再構成されていくことになると思うと楽しみです。

さて、初回の講義を始める前に一つの課題を出されました。
それはあるテーマについて200~300語程度の英語エッセイを書くというものです。
テーマは「私について」、つまり自己紹介ですね。

久しぶりに英語をちゃんと書いてみたのですが、思ったより大変でした…
200語程度の英文を書くだけで、とても時間を使ってしまいました。

私は基本的に英語が非常に苦手なのですが、実はライティングに対する苦手意識はそれほど大きいわけはありませんでした。得意というわけではなかったもののスピーキングやリスニングに比べたら苦手意識は小さかったのです。
特に自由英作文に関しては書ける方だとすら思っていました。
自分で使える表現だけを使って型にあてはめるだけでよかったので、和文英訳よりもむしろ好きでした。

大学の一年生のとき、英語のエッセイがしばしば課題に出されていましたが、手も足も出なかったわけではありませんでした。
ちゃんと添削されているわけでもなかったので、書けたつもりになっていました。

そして、今回のエッセイに関しても同様です。
時間はかかったものの何とか書くことはできたという自負はありました。

授業が始まるまでは…
蓋を開けてみると、予想以上の惨敗を喫することになってしまいました。

英語で文章を書くということがどういうことなのか根本からまったく分かっていなかったのです。
分かっていたつもりになっていただけで、まったく身についてはいませんでした。
本当に全くもってです。一応数年間英語学習をしてきた身であるにも関わらず。

なにが根本的に実践できていなかったのか。
それは英語でのものの見方です。しようとする努力すらしていませんでした。
日本語で世界を切り取り、それを英文法や構文といった型にはめて英語にスライドさせるだけ。

日本語でのものの見方と英語でのものの見方は大きく異なっている、ということを今回のレッスンで認識させられました。

私の文章はどれも酷かったのですが、特に顕著だと感じたのは、具体性と論理性の不足でしょうか。日本語で話すときは、英語で話す時よりも論理性や具体性の基準が甘い傾向にあります。日本語では省略が多用され、読み手の想像力に任せる部分がかなりあります。

しかし、英語ではそれは読み手に負荷を与える不親切な文章であり、ひどくなると意味すら通じなくなってしまう。

私のエッセイは、文法や構文のミスがたくさんあったわけではないので、読み手が頑張ってくれれば全体の意味は何となく伝わるそうです。
ちなみに、部分的には意味が通じていない文章は散見されたのですが。

講義の中で紹介された内容ですが、エクリチュール(書き言葉)はパロール(話言葉)に比べて読み手の目は厳しくなります。
なぜならば、エッセイとして出している以上、推敲がきちんとなされているという隠されたメッセージがあるからです。

自分のエッセイの酷さを自覚してからは、意気揚々と課題を出した自分が恥ずかしくなりました…

英語的な認識と日本語的な認識は異なる、ということを頭で理解するのは容易です。
英語文化圏と日本語文化圏では文化や習慣、歴史など様々なものが異なっています。認識の仕方が異なるのは考えるまでもなく当然です。
このことは客観的な知識としては理解できます。
しかし、自分がいざ当事者になったとき、その認識のズレはまったく見えなくなってしまう。
時間をかけていいライティングですら、盲目的になってしまうのだから、時間の制約があるスピーキングならなおさら酷くなるでしょう。

今回のレッスンでは、自分の英語の酷さと同時にこの自分の盲目さをまざまざと見せつけられたように感じました。
ここまで見せつけられても実際上の成果には程遠いということを書いて指摘されるたびに思います。

英語的な認識と日本語的な認識の異なりを、自分の文章の酷さを通じて身を以て知らしめられたわけですが、これは日本語話者同士にも成り立つことだというのがMr.Sasakiの見解です。

同じ言語を使っていても、個人の背景にある社会、文化は異なっており、見ている世界は個人によって変わる。
単位が個人と個人になっただけで、この関係性は英語話者と日本語話者の場合と実は本質的には変わらない、ということですね。
この母国語のテーマはまたおいおいどこかでされることだと思います。

初回ということもあって、射程が広いテーマでした。

しかし、やるべきことはすごくシンプルで、地道な作業を継続すること。
つまり、毎日読んで書いて聞く、ということですね。
地に足をつけてやっていくしかないですね・・・気を抜くとすぐサボっちゃいますが頑張ります!

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